【債務整理の問題の広告に注意を!】国が認めた借金救済措置、借金減額シミュレーターという広告

2024.7.12執筆

「国が認めた借金救済措置」という広告

実際の広告例

「国が認めた借金救済制度」「借金減額シミュレーター」という表現を使った広告を多く見かけるようになりました。

実際にこういう広告があります。
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「もう自己破産しかないと思っていました!」

借金総額280万円→30万円

「4年以上返済したのに借金は全然減らず、もう自己破産しかないと思っていました。しかし、この「借金減額シミュレーター」のおかげで利息をカットでき、半年ほどで完済できました!」
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実際そういうことがあるのか

重要な前提事実

2010年6月18日に改正貸金業法が施行されるまでは、貸金業者は利息制限法を超える利息を徴取しても、出資法に違反しない限り罰則がありませんでした。

そのため、多くの貸金業者がそれまでは利息制限法を超える貸付を行っていました。

2010年6月18日よりも前から借入を行っていた方は、利息制限法に引き直して計算すると、上記の広告例のようなことはあり得ます。むしろ、利息の方を払いすぎていたとして、減額どころか、過払い金請求を行える場合もあります。

但し、それは、あくまでも、「2010年6月18日よりも前から借入を行っていた方」です。2010年6月18日から14年が経っており、そのような方はごく少数となっています。

そうした前提事実が書かれておらず、読者に安易に期待させる極めて問題の広告です。

2010年6月18日以降に取引をした方は任意整理での減額はほとんど期待できません

こうした「借金の減額」をうたう広告の借金の減額方法を見ると、破産や個人再生でなく、任意整理での減額を念頭においています。

しかし、2010年6月18日に改正貸金業法が施行されてからは、利息制限法を超える貸付は罰則の対象となっているため、貸金業者は、利息制限法を超える貸付が出来なくなりました。

そのため、2010年6月18日以降に、貸金業者から借入を行った方は、任意整理における減額というのが基本的に期待できなくなりました。任意整理によって将来の利息をカットしてもらえることが期待出来る業者はまだまだありますが、将来の利息のカットに応じない業者が増えてきているほどです。

上記の広告例では「4年」という借金の返済期間が挙げられていますが、現時点において、4年程度貸金業者と取引をした程度で、任意整理において、借金の減額を期待することはまずできません。

こうした広告を見て、借金の減額が出来ると期待して、こうした弁護士、司法書士に依頼し、全く楽にならずに、当事務所に相談に来られる例が非常に多いです。

もはや、弁護士、司法書士による消費者被害とさえいえる問題の広告です。

全国対応の弁護士、司法書士への依頼は要注意

借金の解決方法には、主に3つあり、「自己破産」「個人再生」「任意整理」です。それぞれの特徴を知ってから、弁護士に相談することをおすすめします。

大々的に広告を行っている法律事務所、司法書士事務所に相談をしたら、任意整理をすすめられて依頼したが、結局返せなかったという方からの相談を多数受けております。

そのほとんどが、「全国対応の弁護士、司法書士」です。

地元の弁護士でなく、「全国対応の弁護士、司法書士」に債務整理を依頼するメリットはまずありません。むしろ、被害に遭った方が多数、当事務所に相談に来られています。

こうしたケースでは、私たちから見て、借金総額、収入等からして任意整理はとても無理と思われるケースにもかかわらず「任意整理」の方針を取っているケースを多数見かけるのが実情です。

そして、こうした事務所では返済の代行も事務所が行うとされているケースが多く、1社あたり10万円~15万円の報酬を払う契約になっている事が多く、全く楽になっていないというケースも少なくありません。

自己破産、個人再生の制度をきちんと説明せずに、任意整理をすすめてくる法律事務所、司法書士事務所に相談した場合は、セカンドオピニオンを求めて別の法律事務所に相談することをおすすめします。

NHKニュースでの報道 2024/2/18

(2024.2.18追記)
当事務所では、以前より、「国が認めた借金救済制度」というキャッチフレーズの広告の問題点をHPで指摘してきましたが、2024年2月18日のNHKニュースにおいても、こうした広告から誘導されて、債務が減らなかった方、弁護士費用のおかげで逆に債務が増えた方のケースが紹介されていました。「大量広告事務所による債務整理二次被害対策全国会議」準備会の紹介もなされていました。

日経新聞での報道 2026/6/5 夕刊

(2026.6.7追記)

「借金減額」に落とし穴 弁護士広告、ずさんな返済計画
60代男性、生活再建の足かせに

借金を減らせると過大に期待させる弁護士法人のインターネット広告が社会問題になっている。多重債務に悩んだ東京の60代男性は、広告を見て弁護士に接触。任意整理を選択させられたが完済できず、別の弁護士に自己破産を依頼する羽目になった。

最初の弁護士は結論ありきで十分に話を聴いてくれなかったと言い、男性は「早く借金をどうにかしたい一心で、目を引く広告に飛びついてしまった」と悔やんでいる。

男性が「借金減額診断」を見て都内の弁護士法人に連絡したのは2024年10月ごろ。減額診断は弁護士法人などがネット上に出す広告で、借金の額や返済状況を入力するだけで減額の可能性や方針を示される簡便さから一般的になりつつある。

男性は20年6月に中咽頭がんを発症し、5カ月近い入院と自宅療養を余儀なくされた。仕事ができず収入は途絶えたが、遠方に住む長男も同時期に仕事を失ったため、病身ながら月14万円の仕送りを続けることに。肺へのがん転移も分かり、消費者金融を含む9社からの借金は最終的に760万円まで膨れ上がった。

減額診断でつながった弁護士法人から「相談に乗れる」とメールが届き、後日事務所で担当弁護士と面談。本人や弁護士が貸し手と直接交渉する任意整理を勧められ毎月17万円の返済が決まった。

男性が自身の健康状態を伝えても「返済は可能だ」の一点張りで、他の選択肢を示してくれなかったと言う。男性は「知識がなく、信じ切ってしまった」と話す。

8カ月にわたり返済を続けたものの家計は苦しくなる一方で、ニュースで知った自己破産への切り替えを提案した。しかし「裁判所に提出する資料を10日以内にそろえないといけない」などと取り合ってもらえず、やむなく契約を打ち切った。

裁判所が関与する自己破産は任意整理より手続きが複雑なため、弁護士の負担が重いとされる。最終的に支払った弁護士費用は約130万円に上った。

現在は新たな弁護士の下で自己破産の手続きを進めている。担当する谷崎翔弁護士は「債務整理では債務者の年齢や病気、家族の状況などから生活の変化を予測することが重要で、収支を計算するだけでは甚だ不十分だ」と批判。60代で任意整理を始めるのは適切とは言えないとも指摘した。

男性が力なく語った。「他の選択肢があると初めから知らされていれば、もう少し早く生活再建に向かえたのに」

 ▼債務整理のネット広告問題 債務者が借金の減額、免除または支払いの猶予を目的に行う手続き。裁判所の決定で返済が免除される「自己破産」、貸し手と直接交渉する「任意整理」などがある。
 減額を過度に期待させるインターネット広告が問題になっており、日弁連は2月に「業務広告に関する指針」を改正し、借金減額診断を「誤認の恐れのある広告」に追加した。
 債務者が弁護士法人との契約を検討する過程で、弁護士ではなく事務員としか相談できないケースも多いとされる。

債務整理の方法




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